ベストシステムズ メールマガジン
公開日:2010/07/01

【第140号】スパコン ワールドカップ

前回に引き続いてTOP500の解析をしてみたいと思います。
今回はWorldCupにちなんで、「スパコンワールドカップSWC」と題して、国別のスパコン競争をやってみましょう。

アナウンサー 「さあついに始まりましたスパコンワールドカップ SWC。解説は西さんです。西さん、このSWCの見どころはどこでしょうか?」
西 「そうですねえ、やはり国対国のお金と技術力の戦いってところではないでしょうか?」
アナウンサー 「やはりお金持ちの国が強いってことですか?」
西 「もちろん金さえあれば、いくらでもスパコンは買えますからねえ。ただこのワールドカップの見どころは、お金だけがポイントにつながらず、技術力もポイントになるところがおもしろいところです。」
アナウンサー 「今回の日本チームの予想はいかがですか?」
西 「SWCではこれまで日本チームが強かった時代もありましたが、今は世界順位もかなり下がってきました。それ以来日本としても力を注いできているわけですが、やはりチームワークが強くなければなりません。その点、他の国と比べて日本ではチームワークが育っていません。」
アナウンサー 「最近は中国も強くなりましたねえ。」
西 「見た目にはそうです。ですが、それは一部に使われている強大なお金の力であって、国家的にはスパコンは普及していませんし、技術力ではまだまだのところがあります。」
アナウンサー 「それでは西さんの日本の予想順位は?」
西 「そうですねえ、少なくともトップ8は堅いと思っています。」
アナウンサー 「SWCではスパコン台数、合計コア数、合計ピーク性能、合計実行性能、実行効率、平均コア数、平均ピーク性能、平均実行性能のが得点の要素となります。」
アナウンサー 「さあ、それではまずアメリカリーグの模様です。アメリカリーグは、アメリカ、カナダ、ブラジルです。さあ、どのチームが勝者になりますか?」
西 「アメリカリーグはもちろんアメリカですね。」
アナウンサー 「さてアメリカリーグの結果がでました。」

アメリカ・リーグ勝点
アメリカ 23
カナダ15
ブラジル10

アナウンサー 「断トツでアメリカ1位、決勝リーグへはアメリカとカナダが進出です。」
西 「スパコンは、アメリカの国技ですからねえ。ここで負けるわけにはいかないでしょう。」
アナウンサー 「それではヨーロッパリーグです。」

ヨーロッパ・リーグ勝点
ドイツ19
フランス 8
イギリス8
スイス 4
ロシア4

アナウンサー 「ヨーロッパリーグではドイツが1位で決勝進出、フランス、イギリスが2位ですが規定により得点項目が多かったフランスが決勝進出となります。」
西 「ドイツはサッカーもスパコンも強いですなあ。」
アナウンサー 「続いてアジアリーグの結果です。」

アジア・リーグ勝点
中国15
日本12
韓国9
サウジアラビア5
オーストラリア3

アナウンサー 「アジアリーグでは日本は中国に敗れましたが、2位で決勝リーグ出場権を得ることができました。」
西 「やはり中国は世界順位でもTOP10に2台入っていますから、強いですねえ。また、今回は韓国も頑張りました。日本は世界順位でも最高が22位にしては、貢献したと思います。」
アナウンサー 「それでは決勝リーグの対戦表です。勝点が多かったアメリカとドイツがシード権を得ています。」

               ドイツ   --------+ 
               中国     ---+    +---+
                           +----+   |
               カナダ   ---+        |
                                    +--
                                    |
               アメリカ --------+   |
               日本     ---+    +---+
                           +----+ 
               フランス ---+

アナウンサー 「それでは1回戦の模様です。中国対カナダです。」
西 「世界順位的には中国が優勢です。」
アナウンサー 「さあ開始です。中国は最初から攻めまくります。前半は4-0で中国側の一方的な攻撃でした。後半戦はどうなるでしょうか?」
西 「後半戦は全体の合計でなく、実行効率や各システム当たりの性能ですから、十分にカナダが得点するチャンスはあります。」
アナウンサー 「さて後半戦の結果ですが、カナダが実行効率でポイントを得ましたが、その後は得点ならず、結果は7-1で中国です。」
西 「国家的にスパコンに力を入れている国は違います。」
アナウンサー 「次はついに日本対フランスです。サッカーでは圧倒的にフランスですが、スパコンではどうでしょうか?」
西 「フランスは昔から、核開発を含む防衛産業に大量の研究開発資金を使うスパコンの強豪国ですが、日本もかなり強いです。互角の勝負ができるのではないでしょうか?」
アナウンサー 「さてどうなるでしょうか?前半戦のスタートです。おっと、フランスが最初の台数部門で得点です。ですが、日本は合計コア数で圧倒し得点しました。その後の合計ピーク、合計実行性能でフランスに得点を許し、前半戦は3-1でフランスが勝っています。さて、後半戦はどうでしょうか?」
西 「日本は台数的には公表しないシステムが多いので負けてしまいますが、平均部門ではかなり優勢だと思います。」
アナウンサー 「さて、後半戦ではどうなるでしょうか?おっとお!いきなり日本が平均実行性能で得点だあ!」
西 「やはり日本技術力はまだまだ行けてますよ。」
アナウンサー 「さらに平均コア数で日本がポイントです。3-3の同点になりました。あと2項目です。平均ピークでフランスが得点だあ!さあ最後の項目です。やったあ!日本が平均実行性能で得点です。これでついに4-4の同点。PK戦に入ります。」
西 「PK戦では技術力の勝負になりますよ。各チームの選抜5システムの代表によるコア当たりの実行性能の戦いです。」
アナウンサー 「日本チームはJAEA、JAMSTEC、JAXA、東大、理研がメンバーです。フランスチームはGENCI,GOV,IDRIS,CEA,CCRTの5メンバーです。」
西 「なんてたって日本には、お家芸のベクトルがありますから強いですよお。」
アナウンサー 「さて1回目はJAEA対GENCI。11.7対11.6で、かろうじてJAEAが得点!2回目はJAMSTEC対GOVですが、圧倒です!102.4対10.0でまた日本が得点。次を入れますと、日本が準決勝進出です。JAXA対IDRIS。10.1対3.4でまたまた日本が得点!これで準決勝進出が決定しました。」
西 「いやいや、なかなか厳しい戦いでした。来年はルールが変わるかもしれませんねえ。」
アナウンサー 「それでは準決勝です。最初はドイツ対中国。」
西 「これも難しい戦いです。TOP500の台数が同じですからねえ。」
アナウンサー 「前半戦の結果です。2-1で中国が優勢です。」
西 「ピーク性能が大きいですねえ。」
アナウンサー 「さあ、後半戦です。おっとおいきなりドイツが実行効率と平均コア数で2得点!これで2-3となりました。」
西 「ドイツの底力です。」
アナウンサー 「ゲームはまだ続いています。中国側の反撃だあ。平均ピークで得点です。これで同点となりました。おっとさらに1点、これで4-3で中国が決勝進出となりました。」
西 「日本的にはアジアを応援していますから、まあ良かったんですかねえ。」
アナウンサー 「次の準決勝は日本対アメリカ。」
西 「往年の宿敵です。まあ勝つことは難しいと思いますがチャンスはあると思います。」
アナウンサー 「前半戦の結果です。圧倒されてしまいました。4-0でアメリカです。」
西 「後半戦が楽しみです。」
アナウンサー 「後半戦はいきなり日本が2得点です。」
西 「平均実行効率は、79.67%と69.30%で日本が結構上ですね。平均コア数も83,027対10,537で圧倒しました。アメリカは台数が多い分、小さいシステムに引きずられましたねえ。」
アナウンサー 「後半戦は、現在4-2です。おっと、やはり平均ピークでアメリカだあ!そして平均実行では日本です。結果は5-3でアメリカが決勝進出です。」
西 「いやいや日本も結構奮闘しました。」
アナウンサー 「決勝戦は中国対アメリカ。」
西 「昔の冷戦時代を思い出します。」
アナウンサー 「決勝戦が始まりました。4-0でアメリカ優勢で前半戦が終了しました。」
西 「まあ予想通りです。後は中国がどこまでポイントできるかですね。」
アナウンサー 「後半戦は実行効率でアメリカが得点、その後は・・・何と!中国頑張りました。3ポイント獲得です。ですが、5-3でアメリカが優勝となりました。」
西 「本当にアメリカは国技として命をかけてますよね。」
アナウンサー 「2010年6月のスパコンワールドカップの結果です。」

1位アメリカ
2位中国
3位日本、ドイツ

西 「日本はベスト4に入れて本当に良かったです。11月の試合ではTitechが力をつけて来ますから楽しみにしています。」
アナウンサー 「それでは2010年11月まで、日本のみなさんさようなら。」

ちなみに各項目における順位です。

1.スパコン台数
USA282
UK 38
France27
※日本は6位で18台
2.コア数
USA2,971,513
Japan1,494,480
Germany467,068
3.合計ピーク性能
USA25,929,760
China6,858,785
Germany2,840,713
※日本は6位で1,572,354
4.合計実行性能
USA17,969,275
China2,992,630
Germany2,248,464
※日本は6位で1,252,711
5.平均実行効率
Australia91.68%
Singapore91.81%
Austria91.62%
※日本は10位で79.67%
6.平均コア数
Japan83,027
Korea26,232
Saudi Arabia19.480
7.平均ピーク性能
Korea307,439
China285,783
Germany118,363
※日本は8位87,353
8.平均実行性能
Korea274,800
China124,693
Germany93,686
※日本は6位で69,595です。
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